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研究は芸術や文学や音楽と同様文化活動だと考えます.研究をやっている人も楽しく,かつ,研究は人を楽しませるものであると思います.同時に人類の叡智を高め,経済的価値を生み出します.つまり研究は遊びのひとつであると同時に,趣味が実益を生み出します.
ただその境地に至るには,初期には研究に一点集中した猛烈なスタートダッシュが必要です.実験や論文執筆など,研究に必要な技量を高めて研ぎ澄ませると,研究はとても楽しいものになります.これは,研究だけでなく,他の文化活動,ビジネス,仕事でもそうです.そして1つの分野で成功すると,不思議と次に移った分野でも成功します.
研究室では,そのようなトップレベルで飛び立ってくれる学生の成長を後押しします.あまり縛りがないものの,その代わりに自分自身の高い志と自制力が必要です.目標を設定して,目標に向かって邁進してほしいと思います.海外留学にも積極的に背中を押します.これから我が国だけで閉じた世界はありえなく,国際的に活躍していける人材を育成したいと考えています.
21世紀は炭素の時代といわれます.これはこのありふれた元素が,結局のところ多才で安定で軽量で,今世紀の新しいエネルギーデバイスの創製に貢献するからです.具体的にはフラーレンやカーボンナノチューブ等のナノカーボン材料を用いた新しい太陽電池,燃料電池を生み出す研究を行っています.成功すれば世の中が変わると思って取り組んでいます.一つのキーワードは電子で,物質の構造も反応も機能も電子で語れます.有機化学材料から応用物理デバイスまで統合的に電子で理解し,分野の垣根を越え,将来的には研究の枠組みをも超えていく学生,未来のカーボン系エネルギーデバイスを創製し,国際的に活躍したい学生の志望をお待ちしております.
2023年11月15日 松尾 豊